『竹馬抄』(ちくばしょう)は、室町時代前期の教訓書で、斯波義将の著とされています。この書物は、永徳3年(1383年)2月9日に成稿されたとされ、1巻からなります。斯波義将は、室町幕府の管領として、また『新後拾遺和歌集』にも名を残す文武両道を兼備した代表的な武将でした。
『竹馬抄』は、子孫のための家訓として記されており、武士の心得や作法に関する詳しい記述が含まれています。主な教訓として、人の外形や事物の本質を見抜く能力、行儀や作法、親子や仏神との関係、そして知恵、正直、慈悲を人倫的教化の根本原理として掲げています。また、武士としての理想の姿として、『源氏物語』や歌道を通じて物のあはれを理解し、文武兼備の武士となるべきことが強調されています。