南柯太守伝(なんかたいしゅでん)は、中国中唐時代の伝奇小説で、李公佐によって書かれました。この物語は、淳于ふんという侠客が槐の木の下で昼寝をしていると、夢の中でアリの国へ行き、国王の女婿となり、南柯郡の太守に任命されて30年を過ごすという内容です。
この物語は、785~804年ごろの貞元から847~859年の大中年間に生きた李公佐によって、貞元18年(802年)に成立したとされます。同じ系統の作品としては、沈揮済の『枕中記』があります。さらに、この作品は後世に多大な影響を及ぼし、明末の湯顕祖の戯曲『南柯記』や、日本の滝沢馬琴の読本『三七全伝南柯夢』などがそれに基づいて作られました。