『水経』(すいけい)は、中国の水系に関する古代の地理書です。主要な河川や水流について137条に分けて簡潔に記述しており、全文は約一万余字で、内容は簡略かつ統一性を欠いています。また、水道の来歴や地区の地理状況に関する具体的な記述は少ないです。
撰者と成立年代に関しては諸説あり、明確な定説は存在しません。『隋書』経籍志や『旧唐書』経籍志では、晋の郭璞が関与したと記されていますが、彼が実際の作者であるか、あるいは注釈者であるかについては異なる解釈があります。『新唐書』芸文志や『通志』芸文略では、漢の桑欽が撰者とされ、郭璞が注者として言及されています。宋代以降、桑欽が撰者であるとの見解が主流となっています。
この『水経』は、北魏の酈道元によって基盤とされ、『水経注』という注釈書が編纂されました。