『源平盛衰記』は、軍記物語『平家物語』の一つの異本として知られる作品で、著者は不明です。
内容としては、二条院の応保年間から安徳天皇の寿永年間、つまり1161年から1183年までの約20年間にわたる源氏と平家の盛衰を詳細に描写しています。
この作品は『平家物語』を基にして増補や改修が施され、特に源氏側の視点からの加筆や主要なストーリーから外れるエピソードが数多く含まれています。
それゆえに、文学的には『平家物語』に及ばないと言われることが多いですが、読み物としての説話の豊富さから、後の文芸への影響は大きいとされます。
現在、入手は難しいものの、過去には新人物往来社や三弥井書店、勉誠出版からさまざまな版が発行されています。