『観無量寿経疏』、または『観経疏』は、中国の僧、善導によって書かれた注釈書で、仏教の経典『仏説観無量寿経』についての解釈を提供しています。その構成は四帖からなるため、『観経四帖疏』または『四帖疏』とも呼ばれています。
この作品は、既存の浄土教の教義に新たな解釈を提供することで、その教義を一新しました。中国では広く流布しなかったものの、日本においては非常に重要な影響を与えました。
浄土宗の開祖法然はこの書に着目し、その主著『選択本願念仏集』において『観経疏』を重用し、教学の根幹としました。また、浄土真宗の開祖である親鸞は、彼の作品『教行信証』の中で「善導、独り仏の正意を明かす」と讃え、善導の『観経疏』が仏の教えを明らかにしたと認識していました。
これらの事から、『観経疏』は日本の浄土教思想の形成に大きな影響を与えたことが認識されています。