『佩文韻府』(はいぶんいんぷ)は、清の康煕帝の勅命によって張玉書ら76人の学者が編纂した、中国の韻による語彙集です。総数106巻で、拾遺という補遺も106巻があります。この書は1711年(康煕50年)に公刊されましたが、拾遺は康煕55年に成立しました。
内容としては、経・史・子・集の四部の古典から2~4字の熟語を広く採録しており、その語彙の末尾の字の韻に従って106韻に分類排列されています。出典も注記されており、約45万の語彙が収録されています。元々は漢詩を作成する際の参考として編集されたものであり、現在でも古典の語彙の出典や用例を検索する際の重要な参考書として利用されています。
「佩文」という名称は、康煕帝の書斎の名前である「佩文斎」にちなんでいます。
さまざまな刊本が存在し、中でも清朝内府武英殿本、海山仙館本、そして1889年の活字本が知られています。日本では、吉川弘文館から大槻如電の索引が付された版が1908年に出版されています。