『列仙伝』(れっせんでん)は、中国の仙人の伝記集で、2巻からなります。この書物には伝説上の神農や黄帝の時代から、前漢の武帝~宣帝間の70人以上の仙人の伝記や逸話が収録されています。
伝えられるところによれば、前漢末の劉向が選び、編纂したとされますが、その真偽については疑問視されています。理由として、書中に後漢代に命名された地名が散見されることや、劉向の同時代人が仙人として記載されていることなどが挙げられます。
また、晋の葛洪による『神仙伝』とともに、中国古代の神仙伝説や神仙説を知るための貴重な資料として位置づけられています。ただし、魏晋時代の偽作である可能性も指摘されています。
総じて、『列仙伝』は中国の神仙伝説や信仰に関する歴史的な背景を理解する上での重要な文献と言えます。