『慈恩寺三蔵法師伝』(じおんじさんぞうほうしでん)、または『大慈恩寺三蔵法師伝』や単に『慈恩伝』とも呼ばれるのは、中国・唐時代の恵立が撰し、彦そうが増補した玄奘三蔵の伝記です。
この伝記は10巻から成り、688年に成立しました。内容は、玄奘三蔵の生い立ちからインドへの旅行とその後の帰国までが詳細に記されています。特に前半5巻はインドへの求法の巡礼について、後半5巻は帰国後の経典の漢訳活動に焦点を当てています。
この伝記は、小説『西遊記』のモデルとして知られ、玄奘自身が記した『大唐西域記』とともに、中国や西域・インドの情報を伝える貴重な史料となっています。