新楽府(しんがふ)は、中国の古典詩の様式の一つで、唐代以後に登場した新しい楽府形式の詩を指します。この名前は、漢の武帝が設立した役所の名前から、詩のジャンル名として使われるようになった楽府に由来します。
特に、唐代の詩人白居易は、楽府が民衆の声を代弁し、政治家の参考にすべきだとの立場から、50首の「新楽府」を作成しました。白居易のこのコンセプトは、楽府が時の政治や社会を諷喩し、民衆の喜怒を歌うものとして広く受け入れられました。このため、「新楽府」という名前は、白居易の作品やその精神を継承した詩を指すことが多くなりました。
また、白居易の「新楽府」以外の新しい楽府形式の詩は、区別として「近代曲辞」とも呼ばれることがあります。