滝沢馬琴(本名:滝沢 興邦、後に解(とく)に改名)、またはその筆名である曲亭馬琴は、江戸時代後期の著述家であり、読本作家として知られています。1767年生まれ、1848年没。彼の代表作には『椿説弓張月』や『南総里見八犬伝』などがあります。
彼は日本で最初に原稿料のみで生計を立てた著述家として知られています。幼いころから絵草紙などの文芸に親しみ、7歳で発句を詠んだとされています。
彼の名前、「曲亭馬琴」は戯作に用いる戯号で、彼自身は、「曲亭」は『漢書』陳湯伝に、「馬琴」は『十訓抄』に収録された小野篁の「索婦詞」の一節から取ったと説明しています。
また、「滝沢馬琴」は明治以降に流布した名前であり、彼の本名と筆名を合わせたものです。この表記は一部の教科書や副読本で使われていますが、本名と筆名をつなぎあわせた誤った呼び方であると近世文学研究者から指摘されています。