『禅源諸詮集都序(ぜんげんしょせんしゅうとじょ)』は、唐代の中国の僧、圭峰宗密(780―841)によって編集された『禅源諸詮集』の序文「都序」部分で、この部分だけが現存しています。
宗密は、荷沢宗の相承を受けつつ、華厳宗の第5祖でもありました。彼は特に『円覚経』を重視し、華厳宗教義を基盤として禅の体験と近づける「教禅一致説」を展開しました。この『都序』はその教禅一致説を体系的に示す重要な文献として、仏教思想史上において特筆すべき位置を占めます。
『禅源諸詮集』全体は元々100巻以上存在したとされていますが、現存しているのは「都序」のみで、『大正新脩大蔵経』第48巻「諸宗部」5に収録されています。