経国集は平安時代初期に編纂された重要な勅撰漢詩集で、827年に淳和天皇の命令で作成されました。この詩集は、全20巻からなる大規模なものでしたが、現在はそのうちの6巻のみが残っています。
編纂の主要な担当者は、良岑安世や菅原清公などの当時の詩人や学者でした。この詩集には、176人の作者たちの作品が収録されています。その中には、淳和天皇や石上宅嗣、淡海三船、そして著名な僧侶・学者である空海の詩も含まれています。
経国集は特別な存在で、それ以前の勅撰漢詩集に収録されなかった詩を補足する目的で編纂されました。また、ただの詩だけでなく、賦や序、対策といった異なる形式の漢文も収められている点が特徴的です。
簡単に言えば、経国集は平安時代の文化や文学の状況を反映する、多様な内容と形式を持った詩文集であり、当時の人々の思想や感性、価値観を知るための貴重な資料となっています。