『西遊記』は、中国の明時代に大成した白話小説で、中国四大奇書の一つに数えられます。この作品は、唐の時代の高僧、玄奘三蔵の実際の旅を元に、道教や仏教の天界、仙界、そして様々な神や妖怪が織り交ぜられた物語として展開されています。玄奘三蔵は、三神仙、すなわち孫悟空、猪八戒、沙悟浄を供にして、多くの苦難を乗り越えながら天竺を目指し、仏教の経典を取りに行くという物語が描かれています。
物語の中には実在の人物、例えば玄奘三蔵や唐の太宗皇帝などが登場しますが、その内容は完全にフィクションとして描かれており、史実とは異なります。映像化や舞台化の際には、三蔵法師役に女性がキャスティングされることも日本では珍しくありません。
著者については、呉承恩とされていますが、これには異説も存在し、明確な結論は出ていません。『西遊記』の人気を受けて、『東遊記』『南遊記』『北遊記』といった作品も生まれ、これらは合わせて『四遊記』と称されることがあります。
出典:京劇の『西遊記』
この物語は、孫悟空の力強くも痛快な活躍を中心に、彼らの旅と冒険を描いており、古くから多くの愛読者に支持されています。日本でも、江戸時代から紹介され、今日まで愛読され続けています。