銭起(せんき、710?-782年)は、中国の中唐期の詩人であり、字は仲文という。彼は呉興県(浙江省)の出身で、天宝10載(751年)に進士に及第した。彼のキャリアには、秘書省校書郎、藍田県(陝西省)の県尉、考功郎中、太清宮使、翰林学士などの職を歴任しています。
詩人としては盛唐から中唐への転換期、特に代宗の大暦年間(766~779)において活躍し、「大暦十才子」の1人として数えられる存在です。銭起は五言詩形を得意としており、詩風は感傷的で独自の味わいがあります。特に叙景の詩や送別・贈酬の作には秀作が多く、同じ「大暦十才子」の1人である郎士元とともに「銭郎」と並称されることが多い。彼の代表作としては、『銭考功集』という詩集が10巻残されています。