『高僧伝』は、中国梁の慧皎が編纂した仏教の高僧の伝記を集めた書籍です。全14巻からなり、519年に完成されました。固有名詞としての『高僧伝』は、中国で仏教が伝来してから梁代までの高僧の伝記を収録しており、このため「梁高僧伝」とも呼ばれます。
慧皎の時代以前にも、梁の宝唱などによって「名僧伝」のような僧の伝記が編纂されていましたが、慧皎はこれらの編集方針に満足しなかった。彼の視点では、仏教の教えを考えると、有名であることと真に優れた僧であることは必ずしも一致しない。そのため、無名でも優れた僧、すなわち「高僧」が存在するはずだと考えました。この考えに基づいて、慧皎は『高僧伝』を編纂し、その名の通り、仏教の観点から見て優れたと判断される僧の伝記を収録しました。
具体的には、『高僧伝』には後漢の67年から梁の519年までの453年間にわたる、257名の高僧と、それに付随する243名の伝記が収められています。