枚乗(ばいじょう)は、前漢の文人であり、字は叔といいました。彼は淮陰(江蘇省)出身で、初めは呉王劉ひに仕えましたが、王の叛意を諫めたにも関わらず、その助言は受け入れられませんでした。
彼はその後、梁の孝王に仕え、そのサロンで活躍しました。枚乗は賦や文章を得意としており、特に彼の作品「七発」は、後に「七」という新文体を確立するきっかけとなりました。この「七発」は、楚辞の抒情的な表現から、叙事的で華美な漢代の賦へと向かう変遷の先駆けとも言われています。
晩年には故郷の淮陰に隠棲し、後に武帝に招かれましたが、長安へ向かう途中で病死しました。彼の子、枚皋も賦の名手として知られ、武帝の下で多くの作品を残しました。枚乗の「七発」は『文選』にも収録されており、彼の文才と影響力を今に伝えています。