臨済録(りんざいろく)は、中国唐代の仏書で、禅宗、特に臨済宗の開祖である臨済義玄の言行をまとめた語録です。正式な名称は『鎮州臨済慧照禅師語録』と言い、全1巻または2巻から成り立っています。この語録は、臨済の弟子である三聖慧然によって初めて編纂され、さらに円覚宗演によって増補されました。宣和2年(1120年)に印刷され、広範囲に流布し、「語録の王」とも称されています。
内容としては、北宋の馬防による序文の「序」、弟子たちとの問答集である「上堂語」、弟子への講義録の「示衆」、他の禅僧との問答集の「勘弁」、臨済の伝記である「行録」、さらに碑文2つの「塔記」から構成されています。
この語録は、臨済宗の根本聖典として位置づけられ、多くの名句や唐代の口語を含むため、文学的・歴史的にも非常に価値があります。