『説文解字』(せつもんかいじ)は、中国の最古の部首別漢字字典で、後漢の許慎(30〜124)によって編纂されました。この字書は15巻から成り、9353の小篆文字を記録し、これを540の部首に分類しています。略して『説文』とも称されます。
許慎は文字の成立の原理として「六書」(指事・象形・形声・会意・転注・仮借)を用いて各漢字の字形や字義を解説しました。この作業によって、漢字の成り立ちや本義が明らかにされ、その価値は現代においても高いものとして認識されています。
『説文解字』はその後の字書の基礎となり、多くの解説書や研究がなされています。特に、清の段玉裁による『説文解字注』は、この字典に対する重要な注釈書として知られています。
なお、『説文解字』の背景には、前漢の時代からの文字や経書に関する学問の動向や、許慎が古文学の正統性を示すために篆書や古文を使用した経緯があります。