『公孫龍子(公孫竜子)』は、古代中国の戦国時代に書かれた文献で、諸子百家の一つ、名家の公孫龍の思想や議論を伝える書物として知られています。特に「白馬非馬論」という論考が有名で、これは言葉や概念に関する哲学的な議論を展開しています。
本書には、元々14篇が収録されていたとされるが、南宋時代の文献『直斎書録解題』では6篇になっており、現存する版もこの6篇から構成されています。この中には公孫龍本人の手によるものと、彼の門弟や後学の思想を伝える部分が含まれるとされます。
また、『隋書』には『公孫龍子』の記録はないものの、『守白論』という書物が道家の部類に記載されています。この『守白論』については、『荘子』や『公孫龍子』の中にも同様の言葉や議論が見られるため、『公孫龍子』と関連があるとも推測されています。
簡単に言えば、『公孫龍子』は戦国時代の哲学的議論や思想を伝える重要な書物であり、公孫龍やその後継者たちの考えを知る上で貴重な資料となっています。