『北斉書』(ほくせいしょ)は、中国の二十四史の一部として知られる正史です。この書は唐の時代、特に太宗の勅命により、李百薬によって636年(貞観10年)に完成されました。内容としては、南北朝時代の北斉の歴史を記述しており、本紀8巻と列伝42巻、合計50巻から成り立っています。
李百薬は、彼の父である李徳林が手掛けた『北斉史』を基に、王邵の『北斉志』からの資料を追加して本書を完成させました。なお、18巻分の文章は李百薬自身の手によるものが現存しており、残りの部分は散逸したため、後世の人々が『北史』などの資料をもとに補完しています。
当初は『斉書』という名前でしたが、宋代以降、南斉の歴史を記した蕭子顕の『南斉書』と区別するため、『北斉書』という名称で呼ばれるようになりました。
しかし、『史通』の著者である劉知幾は、『北斉書』に対して『北斉志』や『関東風俗伝』より劣ると評価しており、その意見は非常に厳しいものでした。