『歎異抄』(たんにしょう)は、鎌倉時代の仏書で、浄土真宗の開祖親鸞の法語録として知られています。親鸞の死後、信徒の間に異説や異端が生まれたため、これに対して親鸞の正統な教義を示す目的で編集されました。編者については、唯円(ゆいえん)の名が最も広く受け入れられていますが、如信や覚如の名も挙げられています。
全文は19条からなり、前半の10条には親鸞の法語がそのまま収録されており、後半では異義を列挙し、それに対する批判が記されています。この書は、親鸞の思想や信仰を知るための重要な文献として珍重されています。