「越絶書」は後漢初期に書かれた春秋戦国時代の呉と越に関する詳細な記録を収めた書物です。現行本は15巻から成り立っています。この時代は中国の歴史において大きな変動と発展が起こった時期で、その様々な歴史的出来事や人物、文化的変革が詳細に記録されています。
同じく呉と越を取り扱った後漢の書物として「呉越春秋」も存在します。内容は多くが重なるものの、成書年代は「越絶書」の方が早く、「呉越春秋」の記事には「越絶書」を基にした箇所が多く存在するとされています。
「越絶書」はそのため、「呉越春秋」よりも情報源としての価値が認められ、歴史家や学者たちによって広く参照されています。「越絶書」は呉と越の地域的な文化や社会、政治についての深い理解を可能にし、また春秋戦国時代の歴史の理解を深める重要な一助となります。