王維(おうい)は、中国唐朝の盛唐期に活動した詩人であり、同時に画家、書家、音楽家としても知られています。生卒年については諸説ありますが、『新唐書』によれば701年から761年の間に活動していました。
彼は「詩仏」と称され、静謐で典雅な詩風から高く評価されました。自然詩を大成し、同時代の自然詩人である韋応物、孟浩然、柳宗元と並び称され、特にその中でも顕著な存在とされています。また、画家としても「南画の祖」と呼ばれるなど、その影響力は多大です。
王維の人物像としては、仏教を深く信奉し、シンプルな生活を送ったと言われています。また、早くして妻を亡くした後、再婚せず、独身を貫いたとも伝えられています。
彼の作品はその高潔で清雅な性質から高く評価されていますが、その一方で朱熹などから「萎弱で、気骨が少ない」と評されるなど、意見は分かれます。また、政治的な消極性や作品における隠遁性向が強いことに対する評価も賛否両論となっています。