著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』を講談社より出版

遠御長駕【えんぎょちょうが】の意味と使い方や例文(語源由来・類義語・英語訳)

【四字熟語】
遠御長駕

【読み方】
えんぎょちょうが

【意味】
遠くまで馬を走らせること。転じて、遠方まで治め従わせる意味。

【語源・由来】
「遠」と「長」は遠い距離をしめす。
「御」は「馭」とも書き、馬を制して走らせる意味。
「駕」は馬が引く馬車のこと。
馬を制し、馬で遠くまで走ることから、遠国を治めるという意味に発展した。

【典拠・出典】

【類義語】
・懸軍長躯(けんぐんちょうく)
懸軍万里(けんぐんばんり)
・転戦千里(てんせんせんり)

【英語訳】
They will dominates until the far country.

遠御長駕(えんぎょちょうが)の使い方

ともこ
健太君、もう帰るの? 早いのね。
健太
うん。これから乗馬教室なんだ。
ともこ
乗馬? 今度は誰の影響を受けているのかしら?
健太
僕はね、草原を走り抜けて遠御長駕で大きな国を作った「チンギス・カン」のようになりたいんだ。

遠御長駕(えんぎょちょうが)の例文

  1. 父の遺志を継ぎ、この国をより強固にするために遠御長駕するのだ。
  2. キリスト教の布教活動はイスラエルにとどまらず、遠御長駕、東方の国まで果てしなく広まった。
  3. 遠御長駕にばかり気を取られていて、内政をおろそかにすると、国が不安定になる。
  4. この国の資源はもう少しで枯渇してしまう、国民のために遠御長駕して新たな安住の地を見つけなければならない。
  5. 大帝国であるローマ帝国は広大な領域を持ち、エジプトまでも遠御長駕した。
  6. その比丘尼(びくに)の説話には争いも欲求もないが、その徳で救われる人が多く、比丘尼の教えは遠御長駕した。
  7. 遠御長駕するつもりで勢いよく国を出たが、馬も兵も疲労し、食糧も底をついたために、途中で帰国するはめになった。
  8. 遠御長駕は長旅になる。十分な準備を整えたい。
  9. 現在では技術の進化や経済政策により、わざわざ遠御長駕しなくても、遠くの国を支配することができる。

まとめ

遠く長い旅を物語っている四字熟語である。
慣れ親しんだ土地から離れ、馬に揺られ、疲労や不安の中での旅はよほどの精神力がないと続けられない。
そこまでしてたどり着いた先で見るものは何だったのだろう。
新天地か、それとも激しい戦いか。
いずれにしても、人はじっとしているのが難しい生き物である。
外へ向かう好奇心と冒険心は果てしなく遠方まで続くのだ。

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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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