著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』を講談社より出版

怨敵退散【おんてきたいさん】の意味と使い方や例文(語源由来・英語訳)

【四字熟語】
怨敵退散

【読み方】
おんてきたいさん

【意味】
仏教のことばで、折伏(しゃくふく)の祈祷などで唱える語。「私が怨みを抱いている敵よ、退散するがよい」の意。

【語源・由来】
「怨敵」は怨みのある敵。「退散」は、逃げ去ることから。

【典拠・出典】

【英語訳】
far away, my blaming enemy

blameは「怨む」という意味の動詞。enemyは「敵」という意味の名詞。
英文例
心のなかで怨敵退散とつぶやいた。I muttered “far away, my blaming enemy” in my mind.

怨敵退散(おんてきたいさん)の使い方

ともこ
健太くん、次の試合は前回、大負けした相手よね
健太
よく知ってるね、今度は必ず勝つよ
ともこ
その調子よ!もし弱気になりそうだったら、心のなかで怨敵退散って唱えるといいわよ
健太
そのおまじない、いいね。使わせてもらうよ

怨敵退散(おんてきたいさん)の例文

  1. 私はゴキブリが大の苦手で、家の中で見つけたら、殺虫剤を片手に怨敵退散!と叫びながら半分パニックになって追いかける。
  2. 小学校のころは、よくいじめられていて、その度に怨敵退散を唱えていた。その効果があったせいなのか、中学校に進学してからは、まったくいじめられなくなった。
  3. 彼は嫌なことがあると、いつも怨敵退散とつぶやくくせがあある。それがあんまり風変わりなので本人に聞いてみたところ、母親から教わったストレス発散の方法だという。
  4. 会社にすごく嫌な上司がいて、いつもネチネチと小言を言われる。それを耐え忍ぶには心のなかで怨敵退散を繰り返すのが一番だ。
  5. 子供の頃、うちの母がおばあちゃんに叱られるたびに、かげで怨敵退散と言っていたのだが、それが何なのかわからなかった。大きくなった今では何があったのか推測でき、母も大変だったのだなと思う。

まとめ

怨敵退散(おんてきたいさん)は仏教のことばで、「私が怨みを抱いている敵よ、退散するがよい」という意味です。生きていると、嫌な場面に何度も出くわすと思いますが、そんな時は心のなかで怨敵退散(おんてきたいさん)とささやいてみましょう。わずかですが、きっとストレス発散になるでしょう。

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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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