【四字熟語】
咽喉之地
【読み方】
いんこうのち
【意味】
最も重要な土地。必ず通らなければならない土地。戦略上の要衝。
【語源・由来】
人間のからだの「のど」と「くび」に相当するような大切な箇所が転じて大切な土地という意味になりました。
【典拠・出典】
『戦国策』「秦策」
【英語訳】
・the key of the position
・important
・the key
咽喉之地(いんこうのち)の使い方
それにしても、収束する様子がないや・・・・・・。
なあに? どうしたの?
内外から批判を浴びているロシアのクリミア地域支配なんだけど、紛争が絶えないね。
あそこは帝政ロシア時代からロシアにとっては咽喉之地だったものね。
咽喉之地(いんこうのち)の例文
- 当時、長崎は外交政治の咽喉之地であった。
- 六五の歩、そこはまさに咽喉之地であり、指された棋士はその攻めに息を飲んだ。
- そこは我が社にとってマネジメントの咽喉之地だとあれほど提言していたにもかかわらず、上層部はそれを無視した。
- 横浜港は外交の咽喉之地と言えよう。
- 我らにとって咽喉之地である犬山城は敵方にとっても戦を制する拠点となっているのだ。
まとめ
「のど」には「急所」という意味があります。つまり、打ったり突かれたりすると命に関わる事態に陥るポイント。命の関わる箇所であることは、時代劇のせりふの中にも現れています。例えば「喉をかき切ります」というせりふは、死ぬほどの覚悟を示す言葉です。
中国の故事だけでなく、日本のことわざにも「喉」に関するものは意外に多いもの。
「のど元過ぎれば熱さを忘れる」は江戸時代のいろはかるたにうたわれたものですが、意味としては、「命に関わるような大変な時に受けた恩であっても、羽振りがよくなると忘れてしまう」という意味。人の薄情さをうたったものです。「のどから手が出るほど欲しい」とは非常に強い欲求を示し、「死ぬほど欲しい」という意味。これらからも「死ぬほど」「命をかけて」という意味が「のど」にはあることがよくわかります。
「咽喉之地」はそこから転じた四字熟語です。ちなみに「のど」は「咽」とも「喉」とも表記できます。「咽喉」そのものが強調表現だったのですね。