【四字熟語】
隔靴掻痒
【読み方】
かっかそうよう
【意味】
靴を隔てて痒(かゆ)いところをかくように、痒いところになかなか手が届かず、イライラする、はがゆくもどかしい思いをすること。自分の思うようにいかずに、じれったいこと。物事の核心に触れられず、もどかしいこと。
【典拠・出典】
『景徳伝灯録』「二二」
【類義語】
・隔靴之掻(かっかのそう)
・隔靴爬痒(かっかはよう)
・掉棒打星(とうぼうだせい)
【対義語】
・麻姑掻痒 (まこそうよう)
【英語訳】
・being frustrated because something is not quite as hoped (just as one cannot scratch an itch from outside a shoe)
・having an itch that one cannot scratch
隔靴掻痒(かっかそうよう)の使い方
なんだかはっきりしないんだよなぁ!
どうしたの? イライラして。
委員会からの通達で、各委員は毎朝校門で生徒の出迎えあいさつが決まりになったんだ。
いいことじゃない? なにが不満なの?
不満じゃないけど、いつの間にそれが決まったのか、おそらく委員長の独断だと思うけど、釈然としなくてね。隔靴掻痒の感というのかな、決め方がブラックボックスなんだよな。
隔靴掻痒(かっかそうよう)の例文
- 先日の彼の答弁には、隔靴掻痒の感をぬぐえない。
- 私はその様子を隔靴掻痒の思いでただ見守っていた。
- 犯人のそうした供述内容は隔靴掻痒で腹立たしく感じた。
- 竹を割ったような彼女の性格からして、隔靴掻痒たるその状況を受け入れがたかったに違いない。
- なぜはっきりと指摘しないのか、そういうのは隔靴掻痒で好きじゃない。
まとめ
【隔靴掻痒】は文字通り、靴の上から痒いところを掻くようにじれったくもどかしい感情を表しています。かゆみ、すなわち物事の核心は分かっているものの、それに直接自分が触れることができない、自分でそれを解決できないという前提があります。それをあえて遠回しにされたり、指摘されないことで溜まるフラストレーションは大変大きいものです。この四字熟語はそうした状況を卑近な例で示した最たるものと言えますね。