【四字熟語】
殷鑑不遠
『殷鑑(いんかん)遠からず』と訓読します。
【読み方】
いんかんふえん
【意味】
身近な失敗例を自分の戒めとせよというたとえ。また、自分の戒めとなるものは、近くにあることのたとえ。
【典拠・出典】
『詩経』「大雅・蕩」
【類義語】
・商鑑不遠(しょうかんふえん)
【英語訳】
・draw a lesson from ~
・profit by ~
殷鑑不遠(いんかんふえん)の使い方
あんな事するんじゃなかったよ・・・・・・
どうしたの? 深刻な顔をして。
学校の花壇の花を抜いて、先生の机の上に飾ったんだ。先生ははじめとても喜んでいたんだけど、園芸部が大切にしている花を勝手に抜いてしまったから大問題になってしまって。
先生に嫌疑がかかっちゃったんだけど、言い出せなくて・・・・・・。
先生に嫌疑がかかっちゃったんだけど、言い出せなくて・・・・・・。
まあ、大変! 申し訳ないけれど、これを殷鑑不遠とさせてもらうわね。・・・・・・先生に正直にお話ししたほうがいいわ!
殷鑑不遠(いんかんふえん)の例文
- 彼の試験での手痛い失敗は、ありがたいことに僕たちにとっては殷鑑不遠となった。
- 君には殷鑑不遠という考えがないのか! このままだと破滅するぞ。
- 彼に少しでも殷鑑不遠の心持ちがあったら、このような時期にあのようなおごった発言はなかったであろう。
- これを殷鑑不遠としてこそ難関を切り抜け生き残ることができるのではないか。
- 彼があの事を殷鑑不遠としたからこそ、失敗しなかったのである。
まとめ
この四字熟語を訓読した「殷鑑(いんかん)遠からず」は、殷(いん)の国が戒めとするべきお手本(鑑)は、遠い歴史にあるのではなく、殷の一つ前の王朝である夏(か)を滅亡に導いた暴君・桀王(けつおう)の施政にある、という意味です。夏の桀王にならび、殷の紂(ちゅう)もまた暴君として有名で、『桀紂(けっちゅう)』と言えば古代中国を代表する暴君・暗君を意味します。
いつの時代も、横暴でわがままな施政は国民の目には暴力的に映ります。暴政は国を滅ぼす・・・・・・これは時代に限らず、現代にも通じることですね。