【四字熟語】
烏帽子親
【読み方】
えぼしおや
【意味】
むかし、武家の男子の元服祝いの儀式の時に烏帽子(えぼし)をかぶせる役をつとめ、烏帽子名(えぼしな)をつける人物。
その子供の将来を庇護してくれる有力者が託されることが多い。
【語源・由来】
「烏帽子」はむかし、くげ(公家)・武士がかぶった、一種の帽子(ぼうし)。今は、神主(かんぬし)などが使う。
元服の儀式の時に成人の証としてかぶる。
その儀式の時に戴帽の役目を担い、仮の親子の契りを結び、名をつけ、将来の保護を約束する。
【典拠・出典】
-
【類義語】
・毛抜き親(けぬきおや)
・元服親(げんぷくおや)
【対義語】
・烏帽子子(えぼしご)
【英語訳】
・A Guardian
・A guardian will crowned on children and protect the future.
烏帽子親(えぼしおや)の使い方
加賀藩主、戦国大名の前田利家の「家」はどうやってつけられたか知ってるかい?
ううん、分からないわ。
実はね、烏帽子親である織田信家って人から授けられた烏帽子名で、「家」の一文字を授けられたんだ。その織田信家は織田信長の従兄弟(いとこ)なんだよ。
へ~。前田利家の後見人になるなんて、きっとすごく立派な人だったのね。
烏帽子親(えぼしおや)の例文
- 誰に烏帽子親になってもらうかで、その子の将来への可能性や道筋が決まる。
- 亡くなった姉が残していった幼い子供は、私が烏帽子親になり責任を持って育てていこうと誓った。
- 実の親は子供の未来を託すのにふさわしい人を烏帽子親にしようと、人選には深慮するようだ。
- 息子は元服の儀式をしなければいけない年齢になったが、屋敷には資金がなかった。そのため、兄に烏帽子親となってもらい、いっさいの儀式をとりおこなってもらった。
まとめ
むかしの公家や武家の慣習だが、現在も石川県の一部や他地域に残っている。
「えぼしおや」とは呼ばず、「よぼしおや」と呼ぶ。
成人に達した時に結ぶ擬制親子のならわしで、実の親子と同様の関係が続けられるのだという。
成人に達した時に親元は巣立つが、まだまだ社会では援助が必要だ。そういう時に烏帽子親の存在が助けになるのだろう。
子供から大人へ、大人から自立するまで。人は様々な人に支えられて生きているのだ。