【四字熟語】
掩耳盗鐘
【読み方】
えんじとうしょう
【意味】
自分で自分を欺くたとえ。浅はかな考えのたとえ。
浅はかな考えで自分を欺き、悪事を隠したつもりでも、いつの間にか知れ渡っているたとえ。
また、自分の良心に背くようなことをしながら、無理にそれを思わないようにしているたとえ。
自分の耳をふさいで鐘を盗むという意味から。
「掩耳」は耳をふさぐこと。
「耳(みみ)を掩(おお)いて鐘(かね)を盗(ぬす)む」と訓読する。
「耳(みみ)を掩(おお)いて鐘(かね)を盗(ぬす)む」と訓読する。
【語源・由来】
鐘を盗んだ男が逃げようとしたが、鐘が大きすぎて背負いきれず、割ろうと槌(つち)で打ったところ大きな音がしたので、この音を聞いて他人がこの鐘を奪うのを恐れ、急いで自分の耳をふさいだという故事から。
「盗」の旧字体は「盜」
【典拠・出典】
『呂氏春秋』「自知」
【類義語】
・掩耳盜鈴(えんじとうりん)
・掩目捕雀(えんもくほじゃく)
【英語訳】
・Cover the ear and steal the bell
・Deceive yourself
・A shallow idea
・Even if you intend to hide the badness, already that is known around you.
掩耳盜鐘(えんじとうしょう)の使い方
ともこ君、いくらなんでもやり過ぎだよ。
ん? 何のこと? あ! 年齢をいつわったこと? ばれてないわよ。
いやいやいや、君のごまかしは掩耳盜鐘でみんな知ってるからね。
え! そうなの? いやだ、恥ずかしいじゃない。
掩耳盜鐘(えんじとうしょう)の例文
- 万引き犯はレジを通過せずに商品を持って外に出た。その途端盗難防止ブザーが鳴り響き、皆の注目の的となってしまった。犯人が慌てふためき耳を覆って逃走しようとした時、まさに掩耳盜鐘、万引きした商品を全て落とすという大失態を演じた。
- そんないかさま掩耳盗鐘はこっけいだ。
- 人を傷つけると、自分がつらい。しばらくは掩耳盜鐘で下を向いて過ごさなくてはならなくなる。
- 部長はいつもふさふさの毛髪を自慢しているが、実はかつらなのだ。あの強風の日、髪をおさえていた手に力が入りすぎて、かつらがズレてしまった。
これぞ掩耳盜鐘、皆のくすくす笑いが止まらなかった。