【四字熟語】
海翁好鴎
【読み方】
かいおうこうおう
【意味】
捕まえようとする気持ちを察すると鳥は近寄ってこないことから転じて、野心を人に知られては目的を達成しにくくなるということ。
【語源・由来】
カモメと遊んでいた子供が、親からカモメを捕まえるよう言いつけられたところ、カモメは近寄らなくなったという説話から生まれた四字熟語です。
【典拠・出典】
-
【英語訳】
・It is hard to achieve when ambition is known
海翁好鴎(かいおうこうおう)の使い方
なんでだろう? 誰にも話していないのに。
いったいどうしたの?
好きな子に告白しようと思っていたら、友達からやめとけって言われたんだ、そいつになにも言っていなかったのに。
ふーん? あなたのことだもの、海翁好鴎と言うじゃない、知らぬ間に周りがわかっちゃうような分かりやすい行動を取っていたのではないの?
海翁好鴎(かいおうこうおう)の例文
- 海翁好鴎とはまさにこのこと、無邪気に学問に励んでいた頃はトントン拍子で出世したのに、教授の椅子に目標を定めるや、論文の評価も低くなっていった。
- そこは海翁好鴎と言うだろう、あからさまに野心を見せられたら周りだって鼻白むものだ。
- 自分ではまったく意識していないのだが、それが海翁好鴎ということなのか、知らぬうちに心の奥底にある野心が顔に表れていたのかもしれない。
まとめ
「海翁好鴎」の類語ではありませんが、一番に頭に浮かんだ言葉は世阿弥の『風姿花伝』の中にある言葉「秘すれば花なり」です。これは芸術の理論を説いているのですが、「海翁好鴎」に共通するのは「肝心なこと、大切なことは秘密にしてこそ価値がある」ということ。
もちろん「有言実行」という言葉があるくらいですから、大望や野望を口に出して実行し成就するという素晴らしさはあるでしょう。
しかし、口に出して表沙汰にした結果、周囲のやっかみやねたみを買い、思わぬ障害や邪魔が入ることも多いのは確かです。これはそうした人間の生々しさを示していると言っていいでしょう