『韓詩外伝』は、前漢の韓嬰によって著された書物で、一般的な事柄やさまざまな故事を述べ、それらと関連する『詩経』の文句を引用して説明する内容であるため、説話集に近いものと言えます。
韓嬰は文帝と景帝の下で役職につき、『詩経』の解釈に貢献しました。その彼の説明は非常に明晰で、他の学者である董仲舒が反論することができなかったとされています。
この書物は、前漢時代の『詩経』の学問における三つの主要な解釈、いわゆる三家詩(斉詩、魯詩、韓詩)の一部で、現存する唯一の書物となっています。これら三家詩は古文とは異なり、今文に属しています。
現行の『韓詩外伝』は10巻からなり、多くの故事や説話を含んでいます。『詩経』だけでなく、『易経』『書経』『論語』『老子』などからも引用しています。その内容の一部は他の書物、特に『荀子』から取られたものもあります。
この書物は、古代中国の文学と思想の理解にとって貴重な資料となっています。