【四字熟語】
英雄欺人
【読み方】
えいゆうぎじん
【意味】
英雄と呼ばれるような傑出した人物は、普通の人が予想もしない奇抜な計略や行動で人の意表を突くものだということ。「英雄、人を欺く」ともいう。文脈によっては、優れた才能や名声を頼みにして、人をうまく欺いたり、作品の欠点を見過ごさせたりするという批判的な意味も含む。


【語源・由来】
「英雄」は並外れた能力を持つ人物。「欺人」は人を欺くことだが、ここでは卓越した人物の行動が人の予想を超え、意表を突くことを表す。「英雄、人を欺く」と訓読する。
典拠は明代の文人・李攀竜(りはんりょう)が記した「唐詩選序」。李攀竜は唐代の詩人・李白(りはく、号は太白)の作風を論じ、「太白縦横、往往強弩之末、間雑長語、英雄欺人耳」と述べた。これは、李白の詩の勢いを認めつつ、ときに冗長な表現もあり、傑出した才能や名声によって読む人に欠点を見過ごさせる面があるという批評である。
日本語では、優れた人物が常人の意表を突く計略を用いることを表す意味で使われる。ただし、もとの文章にある批判的な含みや、「欺」の字が持つ人を欺く意味にも注意が必要である。スポーツで予想外のプレーが一つ成功したというだけで、すべて「英雄欺人」と呼べるわけではない。
【典拠・出典】
明・李攀竜「唐詩選序」(李白の作風への批評。「英雄欺人耳」)。李攀竜は唐代の詩人ではなく、明代の文人である。
【英語訳】
an extraordinary person’s unexpected stratagem; a brilliant figure outwitting others
その将軍は誰も予想しなかった計略で敵の意表を突いた。
The general caught the enemy off guard with a stratagem no one had expected.
英雄欺人(えいゆうぎじん)の使い方




英雄欺人(えいゆうぎじん)の例文
- 敵の裏をかく巧妙な計略を見て、軍師は英雄欺人という言葉を思い出した。
- その歴史小説には、常人の予想を超えた策略を使う英雄欺人の人物が登場する。
- 李攀竜は李白の詩を論じ、優れた才能によって作品の弱点を見過ごさせる面を英雄欺人と批評した。
- 誰も予想していなかった方法で難局を切り抜けた主人公の行動は、英雄欺人のたとえにふさわしかった。
- その批評家は英雄欺人という言葉を挙げ、傑出した才能に感心するだけでなく作品の欠点も見極めるべきだと述べた。
まとめ
「英雄欺人(えいゆうぎじん)」は、傑出した人物が常人の予想を超える計略や行動をとり、人の意表を突くことを表す四字熟語です。「英雄、人を欺く」とも読み下します。
典拠は明代の李攀竜「唐詩選序」で、唐の詩人・李白の作風を評した言葉です。日本語では卓越した人物の奇抜な策略をいうことが多い一方、原典には名声や才能によって作品の弱点を見過ごさせるという批判的な含みもあります。単なる予想外の行動や、正当な努力で成功しただけの場面とは区別して使います。


















