著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』を講談社より出版

一壺千金【いっこせんきん】の意味と使い方や例文(語源由来・出典)

一壺千金の意味(語源由来・出典)

意味

【四字熟語】
一壺千金

【読み方】
いっこせんきん

【意味】
ふだんは価値がないものでも、時と場合によっては、それが計り知れないほど役に立つこと。

四字熟語の博士
「一壺千金」という四字熟語はね、普段はあまり価値がないものでも、特定の状況やタイミングで、非常に大きな価値を持つことを示しているんだ。
つまり、物事にはタイミングや状況によって価値が変わるということだ。
助手ねこ
えぇ!それって、「普段は取り立てて価値なんてないものでも、ちょうどいい時と場所で使えば、すごく役立つこともある」ってことやんな。
みたいな、普通の石を持ってるけど、それがキラキラの宝石になる瞬間もあるんやで!

【語源・由来】
「壺」はひょうたん・ふくべの意。ひょうたん一つが水に溺れそうになったとき浮き袋代わりになり、千金の価値を発揮するということ。

【典拠・出典】
鶡冠子』「学問」

一壺千金(いっこせんきん)の解説

カンタン!解説
解説

この四字熟語は、文字通り訳すと「一つのひょうたんが千金の価値がある」という意味になるよ。でも、ここでの「千金」は文字通りの金額を指すわけではなく、非常に高価で貴重、あるいは計り知れない価値があるという意味になるんだ。

この言葉の背景には、古代の話や教訓が関係していることが多いんだ。実際に「一壺千金」の起源についての物語は、水辺で人が溺れそうになった際、たまたま持っていた「ひょうたん」を浮き袋として使用し、それによって命を救われたという話から来ているよ。

この物語をもとに、普段はそんなに大切にされていないか、価値が低いと思われている物や人でも、状況やタイミングによっては非常に価値があると感じられることがある、という意味で使われるようになったんだ。

例えば、日常生活であまり使わない道具やスキルも、ある特定の状況や場面ではとても役立つことがあるよね。それを思い出す時に、この「一壺千金」っていう言葉がピッタリくるんだ。

まとめると、「一壺千金」は「状況やタイミングによって普段の価値を超えた大きな価値を持つこと」を指す言葉として使われるんだよ。

一壺千金(いっこせんきん)の使い方

ともこ
健太くん。何で木の枝を持って歩いているの?
健太
もしかしたら、一壺千金になるかもしれないじゃないか。
ともこ
なるかなあ。あっ。あそこにおいしそうな柿がなっているわ。
健太
よしっ。この木の枝が、一壺千金になるときが早速きたよ。ほらっ。柿が取れたよ。

一壺千金(いっこせんきん)の例文

例文
  1. 二リットルの水のペットボトル一本が、災害の時には一壺千金となります。
  2. ポケットに入っていた縄跳びが、一壺千金、溺れた人を助けました。
  3. 駅前で何気なくもらったポケットティッシュが、一壺千金、急に鼻血が出てきた僕を助けてくれました。
  4. いらないけど捨てられないと思って取っておいたものが、ある時一壺千金、活躍するときがあるおかげで、家が片付かない。
  5. 手に持っていた野の花が、一壺千金、おばあちゃんを笑顔にしました。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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