【四字熟語】
韻鏡十年
【読み方】
いんきょうじゅうねん
【意味】
理解することが極めて難しいこと。「韻鏡」は中国の唐の時代の書物で、漢字の音韻を図示した書物。非常に難しく、理解するのには十年の歳月が必要という意味から。
【語源由来】
「韻鏡」は中国唐代末の漢字の音韻を研究した書物を示します。
この「韻鏡」の内容を理解するのに少なくとも10年はかかるということから、難しいこと、難解なことを意味するようになりました。
【典拠・出典】
-
【英語訳】
・difficult to understand
韻鏡十年(いんきょうじゅうねん)の使い方
江戸時代の人ってとにかくすごいよね!
まあ、どうしてそう思うの?
ほら、この図を見てよ。これは「韻鏡」という漢字の音韻を図式化した物なんだけど、ほとんどの音を網羅しているらしいんだよ!これを熱心に研究したっていうから驚きだよね!
わー、本当だわ! 韻鏡十年どころか、一千年かけても難解すぎて理解できないわ!
韻鏡十年(いんきょうじゅうねん)の例文
- エジプトの象形文字はスパコンをもってしても韻鏡十年の歳月はかかるであろう。
- この漢文の音読は彼が韻鏡十年をかけて研究してきた成果である。
- 彼女の話は韻鏡十年もってしても理解できるものではなかった。
- 学術の探究は韻鏡十年で足りるどころか、存命中に報われればいいものだとされている。
- この漢文には韻鏡十年かけてもいまだ解き明かされない秘密があります。
まとめ
「韻鏡」は、10世紀ころにできた中国の音韻図で、頭子音と声調との組み合わせによって漢字音の体系を図示したものです。日本へは鎌倉初期に伝来し、多くの刊本が現存しているそうで、江戸時代に多く研究されました。本家ではその難しさもあってか早々に姿を消した「韻鏡」ですが、海を渡った日本で研究され続けていたのです。
今でこそ情報があふれ、どういうような物で何を意味するのかなども含めて概略だけでも理解できるものの、当時は情報も少なく、これを読み解くのは相当の時間と努力が必要だったと思われます。
難解なものを理解するには長い年月がかかることがしばしば。何か形があるに違いないと真理を求めて健闘する研究者にふさわしい四字熟語と言えます。