【四字熟語】
愛執染着
愛染(愛欲の煩悩からのがれられないこと)の語源となった言葉です。
【読み方】
あいしゅうぜんちゃく
【意味】
男女の愛欲の執着。異性に対する強い性愛の欲望にかられること。愛にとらわれること。
【典拠・出典】
-
【英語訳】
・attachment
・fastening
愛執染着(あいしゅうぜんちゃく)の使い方
この映画、今、話題だよね。
そうね、際どい表現が多いし、R16指定だしね。
R16指定なの? そういうのって、身分証明書でチェックするのかな。
愛執染着をテーマにした映画らしいから、指定をかけたのじゃないかしら。
愛執染着(あいしゅうぜんちゃく)の例文
- 若い日の愛執染着も、今となっては嘘のようだ。
- 不惑の年を迎えてもなお、愛執染着の最中にいることを恥じた。
- この愛執染着もいつか昇華し、解脱できるのでしょうか。
- 昨夜のことは、愛執染着にかられての軽はずみな行動だった。
- 彼女に対し愛執染着など微塵もない。
まとめ
「愛執染着」は人間の煩悩の一つである愛欲について記した四字熟語です。「愛染」の語源となったこの言葉ですが、密教の「愛染明王」と深いつながりがあります。
愛染明王は愛欲の煩悩がそのまま悟りにつながることを示す明王で、仏と人との間にあり、
愛によって両者を結ぶと考えられています。その姿は全身赤色、三目六臂(さんもくろつぴ:3つの顔と6本の腕)で弓矢などを持ち、顔には怒りの相を表しています。(大辞林第3版より)。
※記事トップ画像は、愛染明王のイラストです。
「愛執染着」がそのまま悟りにつながるという密教の世界観ですが、古来、人を惑わせ、狂わせてきたこの執着心は、コントロールするのが難しいのかも知れません。そうして抱える煩悩をなんとか制御したいという思いから、この一見恐ろしげな姿の神様を作り出したのかも知れません。ちなみに愛染明王は恋愛成就の神でもあります。その名前から、「藍染め」に通じるとして染め物業者の神様としてあがめられているそうです。