【四字熟語】
越畔之思
【読み方】
えっぱんのおもい
【意味】
自分の領分・職分を守って、他人の領域を侵さないようにする気持ち。
「畔」は田畑の境界のこと。それを超えないように心掛けることをいった言葉。
【語源・由来】
中国春秋時代、鄭(てい)の宰相の子産が政治の大切な点を、農業のたとえで説いた言葉による。
「政は農功の如し。日夜之を思ひ、其の始めを思ひて、其の終りを成し、朝夕にして之を行い、行い思いを越ゆること無し。農の畔あるが如くならば、其の過ち鮮し」
【典拠・出典】
『春秋左氏伝』「襄公二五年」
【対義語】
・越権行為(えっけんこうい)
・越俎之罪(えっそのつみ)
【英語訳】
It is a feelings to protect the territory and duty of me, and not enter in to others’ territory.
越畔之思(えっぱんのおもい)の使い方
は~!! もう掃除疲れたぁ。
よく頑張ったわね! ついでにお隣の玄関前もお掃除してあげたら?
お隣の玄関前まではやらないよ。そんな、越畔之思を無視するようなことはしちゃダメだ。
ものは言いようね・・・。
越畔之思(えっぱんのおもい)の例文
- 我が営業部は常に同僚同士の摩擦が絶えない。それと言うのも、自らの功をたてるのに必死で越畔之思を意識していないからだ。
- 事があんなに大きくなってしまったのは、現場に出ていた二人が越畔之思を守らずに、本社の指示を無視して勝手に問題解決をはかろうとしたことが原因だ。
- 自分の分をわきまえて越畔之思を通すのはよいが、あまりにも積極性に欠けるのも困りものだ。
- 自分の領分を超えた振る舞いは、相手にも周囲にも過ちだと分かるものだ。
越畔之思に配慮できないのは、単なる愚か者だ。
まとめ
「越権行為(えっけんこうい)」の対になる語である。
田畑には境界線がある。その境界線は何のためにあるのか?
自分の田畑を耕すのには自分なりのやり方がある。他人に踏み込まれては困るから境界線を作っているのだ。
他の田畑に干渉するのは、それが親切心から出た行いだろうと、いらぬお節介となる。
自分は自分の田畑をしっかりと耕し、教えを問われたら答えれば良い。