【四字熟語】
蓋棺事定
【読み方】
がいかんじてい
「蓋棺」は棺(ひつぎ)にふたをすることから「人の死」を意味します。
【意味】
死んでからはじめてその人物の評価が定まるということ。また、生前の評価はあてになら
ないということ。
【典拠・出典】
杜甫「君不見簡蘇徯」
【英語訳】
・a person’s worth is assessed only when their coffin is sealed
蓋棺事定(がいかんじてい)の使い方
蓋棺事定(がいかんじてい)の例文
- 蓋棺事定とはこのこと、彼の善行は彼が亡くなった後になって尊ばれ、その名を歴史に刻んだ。
- 我が世の春とばかり権勢を誇っているが、それこそ蓋棺事定でどのように彼が見られるかは歴史が証明するだろう。
- リーダーたる者、蓋棺事定を胸に今の危機に対峙すべきだ。
まとめ
「蓋棺事定」は、詩人杜甫の「君見ずや、蘇徯(そけい)に簡するの詩」に由来しています。
丈夫蓋棺事始定
君今幸未成老翁
何恨憔悴在山中
深山窮谷不可処
この詩の訓読と意味を記しておきます。
丈夫は棺を蓋いて事始めて定まる(男子は死してその生き様が定まるもの)
君今幸いに未だ老翁と成らず(幸い君はまだ若い)
何ぞ恨まん憔悴して山中に在ることを(なのに、どうしてしょぼくれて山の中にひきこもっているのか)
深山窮谷には処る可からず(君はこんな山中にいるべきではないよ)
杜甫がこの詩を残した時代、唐はその栄華を極めていました。詩に読まれた様子から、若者は何かに失敗し、引きこもってしまったようです。死んでから人の真価が問われるのだとするなら、こんなところにいじけて居る場合ではない、失敗を恐れず挑戦しろ、ということでしょうか。死んでからしか生きていたときの価値は語れないものなのかも知れません。
精一杯、死ぬまで生きることが大切なのかも知れませんね。