【四字熟語】
顔厚忸怩
【読み方】
がんこうじくじ
【意味】
あつかましく恥知らずな者の顔にも、さすがに深く恥じているようすが表れること。
非常に恥じ入ることを謙遜した言い回し。顔にもありありと恥じ入る色が出るという意味。
「顔厚」は顔色が変わる意味とも、面の皮が厚い者の意味とも読み解ける。
「忸怩」は心に恥ずかしく思うこと。恥じて身をちぢめること。
自分の恥じ入ることを謙遜して言ったものが、転じて文字通り、恥知らずのあつかましい者でさえ恥じ入るという意味で用いられることもある。
【語源・由来】
「顔厚にして忸怩たる有り」の略。
面の皮の厚い私ですら、さすがに恥ずかしくなる。
【典拠・出典】
『書経』「五子之歌」
【類義語】
・汗顔無地(かんがんむち)
【対義語】
・厚顔無恥(こうがんむち)
【英語訳】
・The color of shyness appears to the face of a shameless person.
・Very shy
・I’m very shameful.
顔厚忸怩(がんこうじくじ)の使い方
トイレこんでたわ~。まだ並んでた。トイレから出た時、皆私の方を見るのよ。よっぽど早く出てほしかったのね。
と、ともこちゃん! 皆が見ていたのはソレだよソレ。パンツの中にスカートが入っちゃってるから、パンツが丸見えじゃないか!
えっ? いやだ~! 恥ずかしい! ど、どうしよう?
顔厚忸怩はいいから、早くなおしなよ。
顔厚忸怩(がんこうじくじ)の例文
- 彼はどんな失敗をしても、まったく恥じない厚かましい男だ。顔厚忸怩という風にしょげかえる時があるのだろうか。
- お米のとぎ方を知らないというのが皆にバレて、彼女は顔厚忸怩として落ち込んだ。
- 普段は堂々としている彼と手をつないでみたら顔厚忸怩、彼の顔は見る見るうちに真っ赤になった。
- 雷が鳴った時、悲鳴を上げてしまい皆に聞かれた。さすがの私も顔厚忸怩で何も言えない。
まとめ
どんな人間にも弱点はあるものだ。たいていの事では動じない人でも「それだけは恥ずかしいからやめて」というところがある。
人によって恥ずかしく思う点は様々だが、その恥ずかしいという気持ちこそ人間らしさのあらわれだ。
恥を忘れてしまったら、何も成長できない。恥じた気持ちを忘れなければ、同じ過ちを繰り返さずにすむだろう。