【四字熟語】
以暴易暴
【読み方】
いぼうえきぼう
【意味】
暴虐な者を追い払っても、それに代わって別の暴虐な者が支配すること。暴力や強権をなくそうとして、結局は新たな暴力や圧政に置き換えること。転じて、暴力に暴力で対抗することをいう。

「以暴易暴」は、暴虐な支配を倒しても、代わりに同じような暴虐が続くことだよ。暴力に暴力で対抗するという意味にも使うけれど、もともとは『暴虐を別の暴虐に置き換える』という批判の言葉なんだ。

オラも、支配する人が変わっても、人々が同じように苦しむなら、問題は解決していないと思うニャ。
【語源・由来】
「以」は「〜によって」、「暴」は暴虐や暴力、「易」は取り替えることを意味する。暴虐を排除したつもりでも、新しい暴虐に置き換わるというたとえ。
『史記』「伯夷列伝」によると、周の武王は殷の紂王(ちゅうおう)を討ち、殷に代わって周を興した。しかし伯夷(はくい)・叔斉(しゅくせい)の兄弟は、その行いをよしとせず、周の穀物を食べることを拒んで首陽山に隠れた。二人が詠んだ歌には「以暴易暴兮、不知其非矣」(暴を以て暴に易う、その非を知らず)という一節がある。武力で支配者を替えても、暴虐の繰り返しにすぎないという批判を表している。
【典拠・出典】
『史記』「伯夷列伝」
以暴易暴(いぼうえきぼう)の使い方

歴史の授業で、ひどい政治をしていた王が倒されたのに、新しい支配者も人々を苦しめたという話を読んだの。

それじゃ支配者が変わっただけで、苦しい暮らしは続いてしまうね……。

ええ。暴虐をなくしたはずなのに、別の暴虐に置き換わることを以暴易暴というのよ。

なるほど! 倒したあとにどんな政治をするかも大切なんだね。
以暴易暴(いぼうえきぼう)の例文
- 横暴な支配者を追放した新政権も圧政を続け、以暴易暴と批判された。
- 暴力的な集団を別の暴力的な集団が支配するだけなら、以暴易暴にすぎない。
- 旧体制の強権を別の強権に置き換えた改革は、以暴易暴との批判を招いた。
- 『史記』「伯夷列伝」には、伯夷・叔斉の歌に以暴易暴という言葉が記されている。
- 力で抑圧をなくそうとして、新たな抑圧を生み出すのは以暴易暴の状態といえる。
まとめ
「以暴易暴」は、暴虐な支配を排除しても、別の暴虐な支配に置き換わってしまうことを表す四字熟語です。「易」は取り替えることを意味します。
『史記』「伯夷列伝」に登場する伯夷・叔斉の歌に由来します。暴力に暴力で対抗することを表す場合もありますが、特に暴虐なものを倒しても、新しい暴虐が続くという批判の意味を持つ言葉です。


















