著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』を講談社より出版

慇懃丁重【いんぎんていちょう】の意味と使い方や例文(語源由来・類義語・英語訳)

【四字熟語】
慇懃丁重

【読み方】
いんぎんていちょう

【意味】
非常にていねいであること。礼儀正しく、手厚いこと。
とてもしんせつであること。

【語源・由来】
「慇懃」はとても丁寧なこと、極めて礼儀正しいことを示します。「慇」は憂え悼んで心を傾ける事からひいては丁寧・ねんごろの意味。「懃」は「勤」と同じで、苦しむ、疲れるほどに気をつかうという意味になります。「丁重」も非常に丁寧なことを意味します。

従来は「慇懃鄭重」と書いていたものが、現在では「慇懃丁重」と書くようになりました。

【出典】

【類義語】
懇切丁寧(こんせつていねい)
・丁寧懇切(ていねいこんせつ)

【英語訳】
・polite and courteous

慇懃丁重(いんぎんていちょう)の使い方

健太
あれ、苦戦してるみたいだね。
ともこ
スマートフォンのフリックって難しいのよ。
健太
これってコツと慣れなんだよ。ここに指を掛けてこうすると、フリックはとてもやりやすくなるんだよ。
ともこ
本当だわ! 慇懃丁重に教えてもらったからよく分かったわ、ありがとう。

慇懃丁重(いんぎんていちょう)の例文

  1. 彼は慇懃丁重に客人をもてなした。
  2. そこまで慇懃丁重に扱われるとかえって落ち着かない。
  3. こうした席での彼女の慇懃丁重な振る舞いは、多くの人から好感を持たれた。
  4. そうした振る舞いも慇懃丁重に感じられないのは、彼の年の若さからだろう、大方は好ましく感じていないようだ。
  5. こうした席で人をもてなす場合、どれだけ慇懃丁重であるかが問われる。

まとめ

「慇懃丁重」は「慇懃」も「丁重」も同じ意味なので、四字熟語お得意の同じ意味の重ね合わせでできています。意味の強める手法とは言え、特にこの四字熟語は目上の人や身分の高い人に使うように感じられる漢語的表現です。
度を過ぎた丁寧さは人を不快にさせます。いかに丁寧に扱われても、一度それが不快に感じられると、すべてがいやらしく感じられてしまいます。丁寧だけれど度が過ぎず、気の利いた感じを醸し出すことが大切なのかも知れません。

ABOUT US
北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

四字熟語の逆引き検索



error: 右クリックは無効です。