【四字熟語】
一筆啓上
【読み方】
いっぴつけいじょう
【意味】
男性が手紙の冒頭に用いる定型的な挨拶の言葉で、簡単な手紙・短い文章の手紙を差し上げますという意味。
筆をとって文章で申し上げるということ。
【語源・由来】
「一筆」は、筆、カンタンな手紙、短い文章、一通の手紙ということで、
「啓上」は、「啓」は、開く、申し上げる、公文書、上申書、立春、立夏、などの意味があります。
補足 「一筆啓上」の手紙の書き出しについては、安土桃山時代の徳川家康の家臣本多作左衛門重次が、妻に書いた手紙の書き出しが最も有名です。
「一筆啓上、火の用心、お仙泣かすな、馬肥やせ」は本多重次が陣中から妻に宛てて出した手紙で、簡潔に要点を押さえた書簡文としてよく知られています。
お仙とは嫡子、仙千代のことで、のちに越前丸岡城主になりました。また、この中の「一筆啓上」は送り主の妻を立てた、敬う気持ちが込められています。
「一筆啓上、火の用心、お仙泣かすな、馬肥やせ」は本多重次が陣中から妻に宛てて出した手紙で、簡潔に要点を押さえた書簡文としてよく知られています。
お仙とは嫡子、仙千代のことで、のちに越前丸岡城主になりました。また、この中の「一筆啓上」は送り主の妻を立てた、敬う気持ちが込められています。
【典拠・出典】
-
【英語訳】
Just a short note to tell you
This will just be a short note
This is just a brief note to say
I do myself the honour to address you
一筆啓上(いっぴつけいじょう)の使い方
昔の男の人が手紙などで冒頭に沿える言葉だよね。
すごいね、知っているの?
うん。手紙の書き出しでつける頭語と呼ばれるものだよね。
使ったことないけどね!
使ったことないけどね!
一筆啓上(いっぴつけいじょう)の例文
- 昔は巻き紙に筆で冒頭から「一筆啓上 仕り候、……」などと男子が書いたものです。
- 一筆啓上、過日参上の節は夜分遅くまで長座いたし、御迷惑をお掛けしたことと存じます。
- 一筆啓上 早春の候、貴殿におかれましては益々ご健勝のこと、誠にお喜び申し上げます。
まとめ
手紙などにおいて、文頭に付ける言葉を「頭語(とうご)」と呼ばれ、特別目上でも目下でもない相手や、気軽な相手に対しての頭語は、「拝啓」や「啓上」「一筆啓上」などを用います。
主に手紙などには、この頭語を置いてから行を変えて時候のあいさつ文へと移っていく書き方が一般的です。
「拝啓(結語は敬具)」「謹啓(結語は敬白)」と同じような使い方をしますが、一筆啓上の場合には、結語は特に書かなくても良いです。
女性の場合は、「一筆申し上げます」を頭語、「かしこ」を結語とする簡単な手紙の書き方があります。
候文(そうろうぶん)では、基本的に「一筆啓上 仕候(つかまつりそうろう)」と書き始めます。
いきなり手紙の冒頭から、一筆啓上なんて言葉があったよ!
見たことなかったからびっくりしちゃった!