【四字熟語】
一夜十起
【読み方】
いちやじっき
【意味】
人は私心や私情に左右され、私利私欲を捨て去ることは難しいこと。人間は多かれ少なかれ私情にとらわれやすく、私心を全て捨てさることは難しいこと。
【語源・由来】
「一夜」は一晩の意味で、「十起」は十度起きるという意味です。「一夜に十たび起く」とも読みます。
公平無私・私心がない人として世間から評判のあった第五倫(だいごりん)が、ある人から「あなたには私心・私利私欲が本当にないのか」と尋ねられ、第五倫は「兄の子が病気の時には一晩に十回も起きて看病をした。自分の子が病気の時に一睡もできなかった。こんな自分にどうして私心がないなどということが言えましょうか」と答えた、という故事です。
【典拠・出典】
『後漢書』「第五倫伝」
【英語訳】
very difficult to discard self-interest.
一夜十起(いちやじっき)の使い方
昨日、いつも何でも許してくれるおじいちゃんが、とても怒ったの見ちゃった!
えー、いつもニコニコしている優しいおじいちゃんだよね?
どうして怒ったの?
どうして怒ったの?
お母さんがおじいちゃんの大好物のどら焼きを勝手に食べちゃって。
その時、どんな人も多かれ少なかれ、一夜十起な部分はあるんだなと思ったよ。
その時、どんな人も多かれ少なかれ、一夜十起な部分はあるんだなと思ったよ。
そうだよ、どんな人も仏様じゃないもんね!
一夜十起(いちやじっき)の例文
- おばあちゃんにとって目の中に入れても痛くない孫は、正に一夜十起の思いの現れでもあります。
- 悟った顔をしていても、実際にお金の話になると目の色を変え、一夜十起の影が見え隠れします。
- 自分が大病をした時に初めて、自分もまた他の人たちと変わらない一夜十起の凡人であると思い知らされた。
- あのお寺のお坊さんはお金儲けに一生懸命だとうわさされているけど、実際どんな人でも一夜十起の普通の人じゃないかな。