著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』を講談社より出版

鴻門玉斗【こうもんのぎょくと】の意味と使い方や例文(語源由来・出典)

【四字熟語】
鴻門玉斗

【読み方】
こうもんのぎょくと

【意味】
漢の高祖劉邦が、鴻門で楚の項羽の家臣である范増に贈った玉製のひしゃくのこと。

【語源・由来】
劉邦と楚の項羽が鴻門で会見した際、劉邦が項羽の家臣である范増に玉斗を一双贈ったが、范増は剣を抜いてこれを打ち砕き、劉邦を取り逃がしたことを残念がったという故事から。「玉斗」は玉製の酒を飲むひしゃくのこと。

【典拠・出典】
曾鞏「虞美人草」

鴻門玉斗(こうもんのぎょくと)の使い方

健太
今日の授業がよく分からなかったんだけど、何で劉邦は鴻門玉斗を范増に贈ったの?
ともこ
捧げものをして、その場を辞することを謝罪するためよ。一刻も早く自分の陣に戻らないと劉邦自身の命が危ないと思ったからなのよ。先生の話を聞いていなかったわね?
健太
ちょうどその説明をしているときに、校庭に竜巻が起きていて、見入ってしまったんだよ。
ともこ
よそ見をしていると、先生に目を付けられて、次の授業から集中的に当てられるわよ。

鴻門玉斗(こうもんのぎょくと)の例文

  1. テレビドラマでちょうど鴻門之会の場面をやっていたのですが、范増が鴻門玉斗を砕いた瞬間、もったいないと叫んでしまいました。
  2. 項羽は飲み会の席で劉邦を殺すことを拒否したため、范増は鴻門玉斗を叩き壊し怒りました。
  3. 范増は鴻門玉斗を粉々にし、甘い項羽はいずれ劉邦に負けると予言しました。
  4. 劉邦は、鴻門玉斗を范増に贈り、逃げ道を作ろうとしました。
  5. プライドばかり高い無能な上司を持った范増は、怒り狂って鴻門玉斗を粉々にしました。
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北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。元消防士で、現在は防災士として防災普及にも取り組む。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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