「四面楚歌」の意味とは?(出典・類義語)
【四字熟語】
四面楚歌
【読み方】
しめんそか
【意味】
周りを敵に囲まれて苦しい立場に陥ったこと。誰の助けもなく孤立すること。
【典拠・出典】
『史記』「項羽紀」
【類義語】
・孤立無援(こりつむえん)
・孤軍奮闘(こぐんふんとう)
【英語訳】
Find oneself betrayed by all of one’s countrymen.
Be surrounded by foes on all sides.
Be forsaken by everybody.
Have the whole world against one.
He felt as if he had had the whole world against him.
彼はまるで四面楚歌になったように感じた。
四面楚歌(しめんそか)の故事
【故事】
「史記」項羽本紀より。「項王の軍、垓下に壁す、兵少く食尽きぬ、漢の軍および諸侯の兵、之を囲むこと数重、夜、漢の軍四面皆楚歌するを聞きて、項王乃ち大いに驚いて曰く、漢皆己に楚を得たるか、是何ぞ楚人の多きやと。」楚の項羽が垓下に囲まれた時、夜更けて東西南北四面の漢軍の中から楚国の歌が聞こえ、楚の民が全て漢に降伏したのかと驚いたという故事から。
昔々、楚(そ)という国の勇敢な戦士で項羽(こうう)という人がいたんだ。彼は一度は強大な秦(しん)という国を倒したんだけど、その後、別の強大な国、漢(かん)の国の劉邦(りゅうほう)という人に戦いを挑んだんだ。
ある夜、項羽の軍は劉邦の軍に囲まれてしまった。その時、劉邦の仲間である韓信(かんしん)が漢(かん)の兵士たちに、楚の国の歌を歌わせたんだ。
その歌を聞いた項羽は、自分の国の兵士たちが敵に降伏(投降)してしまったと思って、とてもショックを受けてしまったんだ。それはまるで、四方向(四面)どこを見ても楚の歌(敵)ばかり、という状況だった。
だから、「四面楚歌」は、どこを見ても敵ばかりで、全然助けてくれる人がいないような状況を意味するようになったんだよ。
四面楚歌(しめんそか)の使い方
四面楚歌(しめんそか)の例文
- ワンマン社長が部下を信用せずにやりたい放題やった結果、優秀な部下はライバル会社に引き抜かれ四面楚歌となってしまった。
- 一つの判断ミスがこの四面楚歌の状況を作り出した。
- 人を受け入れず嫌味なことばかり言っていた彼は周りから四面楚歌となったが、実は精神を病んでいたらしい。
- この四面楚歌の状況を打ち破る策はないのだろうか、と考えれば考えるほど気ばかり焦って良い知恵が浮かばない。