著書『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』を講談社より出版

猿猴取月【えんこうしゅげつ】の意味と使い方や例文(語源由来・出典・類義語)

【四字熟語】
猿猴取月

【読み方】
えんこうしゅげつ

【意味】
実現不可能な馬鹿げたことをして、自ら身を滅ぼしてしまう(自滅してしまう)ことの喩えである。

【語源・由来】
仏教の故事に由来する四字熟語である。一群の猿が木の下にある井戸の水面に映った月を取ろうとして、木の枝から手と尾をつないで下の方にまでぶら下がっていた。すると、捕まっていた木の枝が折れて、猿たちはみんな井戸の底で溺れ死んでしまったという故事から。

【典拠・出典】
摩訶僧祇律』「七」

【類義語】
猿猴捉月(えんこうそくげつ)
海底撈月(かいていろうげつ)

猿猴取月(えんこうしゅげつ)の使い方

ともこ
健太くん。悲しそうな顔をしてどうしたの?
健太
父さんが、駅前で始めたレストランがうまくいったから一気に5店舗増やそうとしたんだけど、失敗したんだ。
ともこ
猿猴取月だったわね。あの店は、駅前の客層に合っていたからはやっていただけで、他の土地では難しいと思うわ。
健太
欲を出し過ぎたら身を滅ぼすってことが良く分かったよ。

猿猴取月(えんこうしゅげつ)の例文

  1. 猿猴取月、彼は投資で欲を出し過ぎて、結局全財産を失いました。
  2. 猿猴取月、そのアイドルは、自分の力だけで今の地位を獲得したと勘違いして、海外進出を目指しましたが、身を滅ぼしました。
  3. 猿猴取月、彼は自分の能力を過信して、現政権打倒を掲げ、新党を結成したけれども誰もついてきませんでした。
  4. 猿猴取月、誰も自分に逆らえないと過信していたら、思わぬところで足を掬われました。
  5. 猿猴取月、能力を過信した社員がクーデターを起こしましたが、失敗しました。
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北澤篤史サイト運営者
1984年、大阪府生まれ。 著書 『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社、2024) ことわざ学会所属。ことわざ研究発表『WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか』(ことわざ学会フォーラム、2023)

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