一夜十起の意味(語源由来・出典・英語訳)
【四字熟語】
一夜十起
【読み方】
いちやじっき
【意味】
人は私心や私情に左右され、私利私欲を捨て去ることは難しいこと。人間は多かれ少なかれ私情にとらわれやすく、私心を全て捨てさることは難しいこと。
自分のことばっかり考えてしまうのは、なかなか難しいことやで。
これは、「人は完璧じゃないけど、その不完全さが人間らしい」って言うんやな。
【語源・由来】
「一夜」は一晩の意味で、「十起」は十度起きるという意味です。「一夜に十たび起く」とも読みます。
公平無私・私心がない人として世間から評判のあった第五倫(だいごりん)が、ある人から「あなたには私心・私利私欲が本当にないのか」と尋ねられ、第五倫は「兄の子が病気の時には一晩に十回も起きて看病をした。自分の子が病気の時に一睡もできなかった。こんな自分にどうして私心がないなどということが言えましょうか」と答えた、という故事です。
【典拠・出典】
『後漢書』「第五倫伝」
【英語訳】
very difficult to discard self-interest.
一夜十起(いちやじっき)の解説
「一夜十起」とは、人が自分の気持ちや思いに動かされやすいことを示す言葉だよ。「一夜」とは1晩のこと。「十起」とは10回起きること。つまり、1晩で10回も起きることから来ているんだ。
話の元になっているのは、昔の中国の話。第五倫という人が、兄の子が病気になったとき、何回も起きて看病したけど、その後はゆっくり眠れたんだ。でも、自分の子供が病気になると、看病はしなかったけど、心配で夜中まで眠れなかったんだって。
この話から、「一夜十起」という言葉は、人は自分のことや大切な人のことをすごく心配するものだと言われているんだ。それを表現するための言葉なんだよ。
この話の出所は、「後漢書」の中の第五倫の話に基づいているんだ。「自分の甥が病気の時は、夜中何回も起きて看病して、それからゆっくり眠れた。でも、自分の子が病気になった時は、看病しなかったけど、心配で全然眠れなかった」という部分から来てるんだよ。
一夜十起(いちやじっき)の使い方
どうして怒ったの?
その時、どんな人も多かれ少なかれ、一夜十起な部分はあるんだなと思ったよ。
一夜十起(いちやじっき)の例文
- おばあちゃんにとって目の中に入れても痛くない孫は、正に一夜十起の思いの現れでもあります。
- 悟った顔をしていても、実際にお金の話になると目の色を変え、一夜十起の影が見え隠れします。
- 自分が大病をした時に初めて、自分もまた他の人たちと変わらない一夜十起の凡人であると思い知らされた。
- あのお寺のお坊さんはお金儲けに一生懸命だとうわさされているけど、実際どんな人でも一夜十起の普通の人じゃないかな。
完全に自分の感情や考えを放っておくのは、とても難しいことを表しているんだよ。