【四字熟語】
隠姓埋名
【読み方】
いんせいまいめい
【意味】
姓名を隠し、偽名を使って世渡りすること。また、改名するなどをして他郷に逃亡するなどのたとえ。
【語源・由来】
「隠姓」は姓を隠すこと、「埋名」は名前が埋もれることで、同じ意味の言葉を重ねて強調しています。
【出典】
―
【英語訳】
・drop ones own last name and take other name
・pretend to be other person
隠姓埋名(いんせいまいめい)の使い方
穴があったら入りたい気分だろうな。
どうしたの?
著名な陶芸家が自分の作と偽って弟子の作品を高額で売っていたらしいよ。
まあ! それこそ隠姓埋名して世間から隠遁(いんとん)するほかないわね・・・・・・。
隠姓埋名(いんせいまいめい)の例文
- 事がこうなった以上は一族郎党(いちぞくろうとう)隠姓埋名してここから出奔(しゅっぽん)するほかない。
- この作品は有名な人気作家が隠姓埋名して書いたものらしいよ。
- かつて栄耀栄華を誇った王が、隠姓埋名して国から追われるというのは哀れなものだ。
- 隠姓埋名してやるほどだ、余程の覚悟があったのだろう。
- どんなに隠姓埋名して何者かになりすまそうとも、その行いや振る舞いに隠しようのない貴方自身が現れているのです。
- 隠姓埋名してもいいから、とにかく生き延びるのです、命あってのものだねですから。
まとめ
名前についてはことわざがいくつかあります。
「名は体を表す」ということわざをご存じでしょうか。 「そのものの名はそのものの実態を表している」という意味で、「名と実とが一致していること」を示します。名前はそれほど重いものなのですね。
そうした名を隠し、埋没させることは、「自分」という実態を無いものにしてしまうのと同じ意味があります。
「隠姓埋名」は名前を隠し他郷へ逃亡する、という重い世界を表していますが、その行為の重みよりも、そうせざるを得ない状態に至るまでの出来事の方が重いように感じるのです。
「自分」として明るいところに出られない、素性を隠さなくてはいけないというのは本当に苦しいことのように感じます。