【四字熟語】
曳尾塗中
【読み方】
えいびとちゅう
【意味】
高貴な身分になって窮屈に生きるよりも、低い身分でいいから自由に生きたいということ。
【語源・由来】
「塗中」は泥の中。亀が尾を引きずって泥の中で生きる意から。莊子(そうし)は、楚王(そおう)から役人になることを求められたとき、「亀にとってみれば、殺されて、その甲羅が占いに使われる神亀(しんき)として尊ばれるのと、泥水の中ではいずりまわって自由に生きるのとどちらを選ぶだろうか」と言って自由を奪われる役人になるのを断り、自由に生きることを選んだという。
【典拠・出典】
『荘子』「秋水」
【英語訳】
want to live free in low-rank than strict in high-rank
strictは「厳格な」という意味の形容詞。
英文例
誰でも曳尾塗中を願うだろう。Everyone would want to live free in low-rank than strict in high-rank.
英文例
誰でも曳尾塗中を願うだろう。Everyone would want to live free in low-rank than strict in high-rank.
曳尾塗中(えいびとちゅう)の使い方
健太くん、生徒会の人手が足りないんだけど、生徒会に入ってくれない?
うーん、みんなの役には立てるだろうけど、時間が拘束されるのがちょっとね。曳尾塗中で自由にやりたいから遠慮しておくよ
そう、残念ね
野球部の後輩が、生徒会に興味があるようなことを言ってたから、誘ってみようか?
曳尾塗中(えいびとちゅう)の例文
- 日頃の業績が認められて、会社から営業顧問をやらないかと誘われたが、曳尾塗中だと思ったので断った。
- 町内会で積極的な改善提案を繰り返すうちに、町内会長をしてくれないかと頼まれたが、曳尾塗中、束縛されるのが嫌だったのでお断りした。
- 曳尾塗中というように、自由がなによりも大切だと思う。
- その政治家は党の三役に選ばれたが、曳尾塗中で自由にやりたいということから断ったそうだ。
- 私はPTAの役員をやらないかと言われたが、いろいろなしがらみが嫌だったので、曳尾塗中だと考え、断った。
まとめ
曳尾塗中(えいびとちゅう)は、古代中国の故事が由来で、高貴な身分になって窮屈に生きるよりも、低い身分でいいから自由に生きたいということを表す言葉です。私たちも、自分が所属する組織の中で、より上位の職につくよう請われることもあります。それが窮屈だと感じるなら、曳尾塗中(えいびとちゅう)の言葉通り、辞して自由にやるのもよいかもしれません。