【四字熟語】
愛月撤灯
【読み方】
あいげつてっとう
【意味】
物に対する偏愛の程度が烈しいこと。
【語源・由来】
「愛月」は月を愛すること、「撤灯」は光源となる灯りを撤去することを意味し、「月を愛して灯を撤す」とも読みます。
【典拠・出典】
『開元天宝遺事』
【英語訳】
・partiality for
・dote on
愛月撤灯(あいげつてっとう)の使い方
あー、使うのがもったいないよ。
どうしたの?
これ、大好きなアニメキャラクターが印刷されているクリアファイルなんだけどね、傷付かないようにフィルムに入れて持ち歩いているんだ。
ファイルとしては使えないじゃない? あなたの愛月撤灯には恐れ入るわ!
愛月撤灯(あいげつてっとう)の例文
- 彼はアニメのヒロインに愛月撤灯した彼は、周囲からオタク扱いされていた。
- 彼が筆記用具に愛月撤灯するのもよく分かる。
- ペンに愛月撤灯しすぎて、収集したペンのためとうとう別宅まで購入してしまった。
- 愛月撤灯にもほどがある、フィギアほしさにスナック菓子を食べずに捨てて購入するなんて。
まとめ
中国の唐の蘇テイは、酒を飲みながら詩を作る宴席で、月明かりがとても美しかったので、灯りを撤去させたといいます。これは「開元天宝遺事」にある「愛月撤灯」の故事。風流な詩人の強いこだわりを示していますが、月の明かりの下では文字を書くことも出来なかったでしょうに。酒を飲みながらとはいえ、詩を作る宴席が成り立ったのかどうか疑問です。
このように、この熟語はものをそれほどまで偏愛し、本来の目的まで見失ってしまうような度の超し様を、少々冷やかす内容でもあります。
人の趣味趣向は人それぞれ。他人には理解し難いこだわりや愛着があるのは確かですが、それが度を超してしまうと、奇異で滑稽に見えてしまうものです。気をつけたいものですね。